ポイント投資が流行っていますが、基本的にお勧めできるのはTポイント投資のSBIネオモバイル証券と楽天ポイント投資の楽天証券だけです。
当記事では株式銘柄でポイント運用ができる「Stock Point」について説明しながら、ほとんどのポイント投資はお勧めできないという理由を紹介します。
様々な企業がポイント投資を始めていますが、そのほとんどが手数料が高かったり、税優遇もなかったり、株主優待や配当もなかったりなど、お勧めできるものではないです。
ドコモ系のdポイント、ローソンやリクルート系のPontaポイント、KDDI(au)系のWALLETポイントなどなど、数えきれないほどポイント投資は乱立しています。
しかしそのほとんどが当記事で紹介するStock Pointと同様の(あるいはStock Pointを利用した)疑似投資サービスです。
投資と謳いつつ、本質は投資とは少し異なるんですね。当記事では、Stock Pointの紹介を通して、ポイント投資のメリット、デメリットを解説します。
とまぁ、のっけから完全否定で入りましたが、ポイント投資は選択肢として考え方次第では有りです。
なぜなら、投資資金という壁が圧倒的に低いから。また、証券口座の開設が不要なため、マイナンバーカードの提出や本人確認など面倒な手続きも必要ありません。
この記事を読んで、判断材料にして頂ければと思います。
なお、こちらの記事で主要ポイントの投資サービスを徹底比較しています。こちらも参考にしてください。
関連記事:ポイント投資5社を完全比較
この記事で分かること。
- Stock Pointとは何か。
- ポイント投資の仕組み。
- ポイント投資のメリット、デメリット。
- Stock Pointの始め方。
Contents
Stock Pointとは
Stock Pointとは、各ポイント(Pontaポイントなど)から交換した運用ポイント(Stock Point)が、運用ポイントに紐づいた株価に連動して価値が変わる「疑似投資」のサービスです。
公式HPでは以下のように説明されています。
StockPoint(ストックポイント)は株価に連動して毎日価値が変わっていく世界初のポイントサービスです。
Stock Pointのみならず、ほとんどのポイント投資サービスはStock Pointと同じような仕組みです。「運用ポイントが紐づいた株価に連動する」というのが要点です。
投資の仕組み
株を直接購入するのではなく、株価に連動して運用ポイント(Stock Point)の価値が変わっていく。これを具体的に図で説明します。
例えばStock Pointが連動する株価として、日清食品グループを選択したとします。日清食品グループの株価があがれば所有しているStock Pointの価格も上がるというわけです。
上記の図では、日清食品の株価が5,000円の時に、Stock Pointを100ポイント投資して運用を開始しています。日清食品の株価が1.5倍の7,500円に値上がりした時、Stock Pointの価値も同じく1.5倍の150ポイントに値上がりするわけです。
このように株を直接買うわけではなく、Stock Pointを運用するので、運用するポイントは好きに決められます。100ポイントでも、1,000ポイントでも良いわけで、連動する株価と同じ比率で値動きします。
- 株を直接買うわけではなく、Stock Pointが株価に連動して動く仕組み。
- 株を直接買うわけではないので、投資するポイント額は自由に決められる。
各種ポイントを株価と連動する「Stock Point」に変えることで、疑似的な投資を可能にしているのです。
ということは、当然お金(ポイント)に戻したい時には、Stock Pointから各種ポイントからへの交換が必要です。
Stock Pointで使えるポイントは各種ありますが、セゾンカードの永久不滅ポイントを交換して運用する場合を例にします。
永久不滅ポイントと運用するStock Pointの交換比率は次の通りです。
永久不滅ポイント⇒Stock Pointへ交換する時と、Stock Point⇒永久不滅ポイントへ戻す時で交換比率(レート)が異なります。これが「手数料」に相当するわけです。
交換タイミング | 永久不滅ポイント | Stock Point |
---|---|---|
投資する時 | 1ポイント | 4ポイント |
ポイントに戻す時 | 1ポイント | 5.1ポイント |
見て分かると思いますが、ぶっちゃけ、なかなか厳しい設定(交換レート)です。
先ほどの例のように、100ポイントのStock Pointを運用し、150ポイントまで値上がりした時に永久不滅ポイントに戻す場合を例に上げます。
投資をするときは「永久不滅ポイントをStockPointに交換」します。逆にポイントに戻すときは「Stock Pointを永久不滅ポイントに交換」します。
株価が1.5倍になったんだから、永久不滅ポイントも25ポイントから38ポイント(25×1.5)に増えたんでしょ?と思ったら、実際はたったの29ポイントです。
日清食品の株価が1.5倍になり、Stock Pointも1.5倍になりました。しかし、Stock Pointと永久不滅ポイントの交換レートの違いにより、永久不滅ポイントへ戻した時は1.16倍にしかなっていません。
株価は1.5倍になったのに、実質のお金(ポイント)は1.16倍にしかならない。とても投資効率が悪いです。
これを普通に証券会社で株を買っておけば・・・あるいはポイント投資でもSBIネオモバイル証券で現物株を買っておけば・・・。これらにも取引手数料はありますが、Stock Pointの交換レートよりずっと安いです。
これがStock Pointをお勧めしない最たる理由、そして同じようなポイント投資サービスをお勧めできない最たる理由です。
- 各種ポイント⇒Stock Pointへの交換と、Stock Point⇒各種ポイントへの交換レート(手数料に相当)が悪い。
使えるポイント
永久不滅ポイントで説明してきましたが、Stock Pointと交換ができる各ポイントは以下の通りです。(2019年10月時点)
参加するポイントは今後も追加されていくと思います。
ポイント | 概要 |
---|---|
永久不滅ポイント | セゾンカードのクレディセゾンが運営するポイント。期限切れ無しのポイント。 |
.Money(ドットマネー) | Amebaが運営するポイント。現金、Amazonギフト券、nanacoに交換可能でアメブロやAmebaゲームでも貯まる。 |
Stock Point | Stock Pointが運営するクレジットカードで得られるポイント。選択肢としてアリ。 |
MI Point(エムアイポイント) | 三越伊勢丹やアメリカン・エキスプレス・カード加盟店での買い物でたまるポイント。 |
Pontaポイント | Pontaポイント運用としてStock Pointとは分かれていますが、Stock Pointが運営しています。 |
お勧めしない理由とお勧めな理由
お勧めしない理由は圧倒的に手数料(に相当する交換レート)が高いということですが、それ以外にもお勧めできない理由があります。その一方で、お勧めできる理由もあります。
【お勧めしない】手数料が高い
手数料の高さ、これがお勧めできない理由の筆頭です。
投資の仕組みのところで説明しましたが、各種ポイントからStock Pointへ交換する時と、Stock Pointから各種ポイントへ戻す時のレートが異なるため、取引を繰り返すほど資金が目減りしていきます。
通常の証券会社だと、1回の約定ごとに定額(約定代金によって変動)の取引手数料を取るタイプと、取引数とは関係なく1日や月間で定額の手数料を取るタイプとありますが、いずれにしてもこれほど高くはありません。
詳しく知りたい人は、冒頭で紹介したポイント投資5社の比較記事をご覧ください。(当記事の末尾にもリンクがあります)
- 売買を繰り返すほど資金が目減りする。
- ポイント投資は換金せずに長期の株価上昇を狙うべき。
【お勧めしない】選択肢が少ない
選択肢の少なさ、つまり選べる銘柄の少なさもお勧めできない理由です。
「使えるポイント」でStock Pointと交換可能なポイントを紹介しましたが、それぞれのポイントごとに投資が可能な対象銘柄は異なります。ここでいう投資とは、Stock Pointが連動する株価のことです。
以下にポイントごとの銘柄の選択肢をまとめました。(2019年10月時点)
ポイント | 選択できる銘柄 |
---|---|
永久不滅ポイント | 日清食品ホールディングス、本田技研工業、カルビー |
.Money(ドットマネー) | みずほフィナンシャルグループ、ドコモ、セブン&i、上海株式指数、サイバーエージェント、KDDI、ソニー、日本株レバレッジ上場投信、ソフトバンク、イオン、米国株指数30種、日本株ダブルインバース上場投信 |
Stock Point | 170銘柄以上。(リンク先を参照) |
MI Point(エムアイポイント) | 170銘柄以上。(リンク先を参照) |
Pontaポイント | ゲオホールディングス、日本航空、三菱UFJフィナンシャル・グループ、リクルートホールディングス、ローソン、上海株式指数・上証50連動型、ダウ・ジョーンズ工業株30種平均、日経平均ダブルインバース・インデックス連動型、ジャパンリアルエステイト投資法人、原油インデックス上場、純金上場信託 |
非常に、少ないですね。日経平均株価を構成する銘柄だけでも225銘柄ありますので、ごくごく一部にしか投資できないことになります。永久不滅ポイントなどは4銘柄(2019年10月時点)しか選べません。
【お勧めしない】配当も株主優待もない
現物の株を購入する訳ではないので、配当金もありませんし株主優待も受け取れません。
運用しているStockPoint銘柄のポイント数が、その銘柄株価の1株相当以上になれば、現物株と交換ができますが、その場合は証券会社での口座開設が必要になります。(であれば、普通に証券会社で口座を開きましょう!)
Stock Pointは株価に連動して価格が変動するにも関わらず、株価の値動きに関係する配当金や株主優待が考慮されないというのは大きなデメリットです。
配当取りや優待取りで株価が上がり、逆に権利日落ちで株価が下げたりするからです。これを逆手にとって利用するという手もありますが、ポイント運用で実行するのはかなり難しいと思います。
- 株主優待も配当もない。
- 配当がないので、権利日の前後の株価の動きに影響される。
【お勧めする】ハードルがめちゃ低い
Stock Pointを利用するメリットは「投資を始めるハードルが低い」ということです。正直、これ以外にメリットは見当たりませんが、逆にこれだけでポイント投資のメリットは十分とも言えます。
現金を使わずポイントで投資(疑似ですが)が出来る、数百円、数千円からでも投資が体験できる(疑似ですが2回目)というだけでこれだけ人気を集めているのですから。
ポイント投資の場合は、現物の株式を購入する訳ではなく、ポイントを紐づけて運用するだけなので、投資の必要資金はとても少なくて済みます。
主要なポイント投資で必要な最低ポイントは下記の表のとおりです。
ポイント投資 | 必要な最低ポイント |
---|---|
Tポイント | 買い付ける株式等に応じる。1株から購入可能 |
Pontaポイント | 20Pontaポイント単位で銘柄ポイントに交換可能 |
dポイント | 100dポイント単位で運用ポイント交換可能 |
楽天ポイント | 買い付ける投資信託に応じる |
永久不滅ポイント | 100永久不滅ポイント単位でStock Pointに交換可能 |
普通に証券会社で株式を買おうとすると、1株500円の銘柄でも最低購入単元数が100株であれば5万円が必要になります。1株5,000円の銘柄であれば50万円です。
しかしポイント投資であれば、数百ポイント、数千ポイントで運用が可能です。
Stock Pointの始め方
Stock Pointを始め、ポイント投資サービスでは証券口座の開設が不要なため、始めるまでの手続きも簡単です。基本的にメールアドレスさえあれば始めることが可能です・
マイナンバーも本人確認証も不要
通常の証券会社で口座を開設するには、マイナンバーカードと身分証(免許証など)の提出が必要です。また、口座開設までに審査もあるので、通常2週間程度は時間が必要です。
Stock Pointの場合はアプリをダウンロードし、メールアドレスで会員登録をすれば即日ポイント運用を開始できます。
当記事では、Stock Pointの説明を通してポイント投資のデメリットを説明してきました。ほとんどのポイント投資はお勧めできないですが、それでもハードルの低さからメリットはあります。
本格的に投資を始める前の体験として、あるいは余らせているポイントの活用方法として始めてみると良いのではないでしょうか。
関連記事:ポイント投資5社を完全比較
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