FXの自動売買ツールは色々とありますが、初心者におすすめなのはループイフダンです。初心者向けに必要な、下記の要点を満たしているからです。
- 低コスト(小スプレッド・小スワップポイント)
- 設定が簡単
- 少額からOK
当記事では同じFX自動売買のトラリピと比べながら、ループイフダンを初心者が使うメリットを説明します。
Contents
【結論】ループイフダンとトラリピ
「初心者はループイフダン」「玄人はトラリピ」がお勧めです。他の比較サイトでも同じように考えているところは多いです。
ループイフダンとトラリピを簡単に比較します。
比較項目 | ループイフダン | トラリピ |
---|---|---|
コスト | ○ | △ |
簡易性 | ○ | △ |
自由度 | △ | ○ |
資金効率 | ○ | ○ |
ループイフダンは設定が簡単で、あらかじめ用意された自動売買設定を選択するだけで始められます。トラリピは自分で設定を組む必要がありますが、その分だけ自由度が高いです。
① コスト
ループイフダンもトラリピも取引手数料は無料です。
スプレッドが手数料に相当しますが、ループイフダンは業界最小のスプレッドです。ドル円を例とした場合を比較します。
スプレッド | ループイフダン | トラリピ |
---|---|---|
1通貨 | 0.02円 | 0.03円 |
1,000通貨 | 20円 | 30円 |
※スプレッドは2020年1月のものです。
どちらも売買単位は1,000通貨単位ですので、1ポジションあたりのスプレッドは2行目のものになります。
ループイフダンは、自動売買系の中でもスプレッド幅が小さいです。自動売買は取引を繰り返すため、スプレッドが小さい方が効果的です。
仮に100回売買を繰り返すとすると、支払うスプレッド手数料はこちらとなります。
スプレッド | ループイフダン | トラリピ |
---|---|---|
100回売買 | 2,000円 | 3,000円 |
自動売買を繰り返すツールにおいて、スプレッドの差は大きく影響してきます。
② 自動売買の設定方法(簡易性)
ループイフダンの設定方法は、主に「ループ値幅」「最大ポジション数」を与えられた選択肢から選ぶだけです。また自動売買のロジックも、選択した値幅での売買を繰り返すだけなので単純です。
自分であれこれ考える必要がないため簡単ですが、自分で値幅やループ条件を考えて自動売買を構築することはできません。
一方、トラリピはこれらの設定を自分で考えて自動売買を構築する必要があります。
また、トラリピには「ハーフ&ハーフ(※1)」「決済トレール(※2)」という仕組みがあり、これらを利用するためにはトラリピである必要があります。
(※1)ある中心値を境目として買いリピートと売りリピートを設定する。売りと買いの境目がはっきりしている場合は有効。
(※2)決済価格がトレンドに追従し、出来るだけ1ポジションの利益を伸ばそうとする。一方で、利益確定のタイミングも逃してしまう場合もある。
ハーフ&ハーフと決算トレールのロジックは、この後でもう少し詳しく説明します。
③ 自動売買の設定方法(自由度)
上記で示したようにループイフダンは「選択方式」のため、設定は簡単ですが自由度は低いです。
選択した値幅分だけ価格が動いたら、その分の新規建てや決済を繰り返していくことしかできません。
例えばドル円がレンジを形成しつつも、上昇トレンドの場合を考えてみます。設定を下記とした場合の動きを例とします。
ループ値幅 | 損切り設定 | 取引数量 |
---|---|---|
B25 (USD/JPY) |
無し | 1 |
この場合、0.25円下がると1ポジション買い、0.25円上がるとそのポジションを売り決済するという設定です。次のように動きます。
値が下がった時に買いポジションを積み重ね、上がった時にポジションを決済して利益を積み重ねていきます。S25(USD/JPY)などの売り設定の場合も同様です。
ループイフダンでは、現在の為替レートに関わらず、設定した最大ポジション数に達するまで選択した値幅で新規建てと決済を繰り返します。
例えば、ドル円が105円の時に、B100(1円値幅)で最大ポジション数を5として注文を仕掛けたとします。この時のレンジは上下に5円(1円値幅×5ポジション)ありますので、100~110円です。
1円下がれば1ポジション新規建てし、1円上がれば1,000円の利益で利確します。為替レートが下がり続ければ100円なるまでに5ポジションを新規建てします。
逆に上がり続ければ、1,000円の利益を積み重ねながらレンジも上がります。107円まで上昇した場合のレンジは上下で102円~112円となります。
値幅と最大ポジション数が狭いと、トレンドによっては想定したレンジにループが収まらなくなります。
ループイフダンでは放ったらかしはできず、想定レンジを外れそうになったらメンテナンスが必要です。
このようにループイフダンは複雑なロジックは組めませんが、単純で分かりやすいため取り掛かりやすいツールです。
リープイフダンは値幅とポジション数が狭いと想定したレンジからループが出てしまう場合がある。
一方、トラリピの場合は「ハーフ&ハーフ」や「決済トレール」という特殊な設定を組むことができます。
ハーフ&ハーフは、買いのトラリピを仕掛けるレンジ、売りのトラリピを仕掛けるレンジをそれぞれ設けるという設定方法です。
図で表すと次のようになります。
ハーフ&ハーフの設定にはメリットもデメリットもあります。
ハーフ&ハーフのメリット
- 想定レンジの半分にトラリピを発注するため、証拠金が半分になる。
- 利確可能性が低いポジションを持たない。
ハーフ&ハーフのデメリット
- 同じレンジ内で買いと売りの両建てで利益を増やすことはできない。
決済トレールは、決済を遅らせることで1ポジションの利益を最大化させようとする設定です。ただし、利確ポイントを逃すことにも繋がります。
決済トレールのメリット
- 1ポジションの利益を伸ばせる可能性がある
決済トレールのデメリット
- 少ない利益で決済してしまう可能性がある
ハーフ&ハーフも決済トレールも上手に使えば武器になります。しかし、きちんと理解して戦略に反映する必要があるので玄人向きです。
ループイフダンが初心者にお勧めの理由
ループイフダンが初心者にお勧めの理由を、実際の設定画面や必要な証拠金の目安を説明しています。
① 低コスト(小スプレッド・小スワップポイント)
冒頭でも説明しましたが、ループイフダンのスプレッドはFX自動売買系では最安です。
自動売買というツールの性質上、何度も細かい売買を繰り返すことで利益を積み重ねますので、売買回数が増えるほどスプレッドも積み上がります。
スプレッドは出来るだけ少ない業者を使うのが常套手段です。
② 設定が簡単(選ぶだけ)
ループイフダンとトラリピの比較でも説明したように、ループイフダンは画面に与えられた選択肢から選ぶだけです。
設定も簡単ですし、仕組みの理解も容易です。例えば、ドル円の場合の設定項目は5つだけです。
設定項目 | 説明 |
---|---|
①通貨ペア | 通貨ペア |
②ループ値幅 | 売買を繰り返す値幅 |
③損切り設定 | 損切り有無 |
④取引数量 | 1回の取引の建玉数 |
⑤最大ポジション数 | 保持する最大ポジション数 |
「②ループ値幅」「③損切り設定」「⑤最大ポジション数」について補足で説明します。
② ループ値幅
ループ値幅は通貨ペアごとに異なります。主要な通貨ペアの設定値は次のとおりです。
通貨ペア | 選択できる値幅(PIPS) |
---|---|
ドル円 | 10, 15, 25, 50, 100 |
ユーロ円 | 10, 40, 80, 100, 120 |
ポンド円 | 20, 50, 100, 150 |
ユーロドル | 10, 20, 40, 60, 100 |
③ 損切り設定
ループイフダンでは想定とは逆方向に相場が動いた場合の損切り有無を選択できます。
しかし、自動売買は想定するレンジにループ設定を仕掛け、含み損を抱えながらもそのレンジ内で決済値幅まで戻ってくるのを待つのが基本的な考え方です。
損切り設定は「なし」で設定し、損切りせずともロスカットされないように証拠金とループイフダンの設定を準備するのがお勧めです。
ただし、戦略によっては損切り設定したい場合もあるでしょうから、そのロジックを説明します。(特に十分な値幅とポジション数を取れない場合は、損切りは有効です)
ループイフダンの損切りラインは「ループ値幅」と「最大ポジション数」から算出され、最大ポジション数を超えて相場が変動すると損切りが発生します。
正確には、最大ポジション数+1まで価格が来ると、最初のポジションが損切りされます。
B25(USD/JPY)で最大ポジション数を3とした場合、0.75円の下落までポジションを持ちます。ここを超えて1.00円まで下落すると、最初のポジションを損切りして、新たなポジションへ切り替えます。
この場合、仮にこの後に価格が105.25円まで上昇しても、ポジション①は既に損切りされた後なので決済されません。損切りなしであれば、105.25円まで上昇すると決済利益が得られました。
このように、損切り設定はそれ以上の含み損の拡大を防ぐ一方で、利益のチャンスを失います。基本的には、損切りは設定しない方向で考えたいところです。
⑤ 最大ポジション数
損切り設定で説明してしまいましたが、1本のループイフダン設定で保持できる最大ポジション数を設定します。
最大ポジション数に達するまで、ポジションを自動で積み上げていきます。
なるべく大きめに取るのが理想ですが、そうすると必要な証拠金も大きくなります。
また、当然ですがループ値幅を小さくした方が、同じ最大ポジション数でも必要な証拠金額は大きくなります。
想定されるレンジに収まるように、証拠金額とループ値幅を比べて設定しましょう。
リスクを抑えるためには、なるべく値幅と最大ポジション数は大きくするのが望ましいです。
③ 小額で始められる
1万円からでもループイフダンは始められます。
しかし、現実的なところでは5~10万円は用意して始めたいところです。最初は少ない資金で始め、だんだんとループイフダンに慣れてきたら証拠金を追加していくのが良いでしょう。