実は日本株CFDの取扱いのある証券会社は少ないです。
そもそも個別株のCFDを取り扱う証券会社が少なく、さらに日本株となればかなり限られます。株価指数CFDは多くの証券会社で取り扱いがありますが。
この記事では、日本株CFDの取扱いのある証券会社を銘柄数やコスト面で比較します。
証券会社 | 銘柄数 | コスト | 使いやすさ |
---|---|---|---|
IG証券 | 250銘柄以上 | ○ | ○ |
PayPay証券 | 38銘柄 | ○ | ◎ |
サクソバンク証券 | 約1,500銘柄 | ○ | ○ |
インタラクティブブローカーズ証券 | 約700銘柄 | △ | × |
※銘柄は追加、削除があるため、銘柄数は各証券会社の表記に沿って記載しています。
※2021年7月時点
銘柄数は圧倒的にサクソバンク証券が多いですが、証券会社ごとに特徴があるので、自分にあった証券会社を選択するのが良いと思います。
たとえばPayPay証券は株数ではなく、金額単位(1万円単位)で日本株CFDを取引するため、資金面でのハードルが下がります。
Contents
日本株CFDを取り扱う証券会社
それぞれの証券会社について、銘柄数、コスト(取引手数料や金利)、使いやすさなどを比較します。
レバレッジはどの証券会社も5倍です。5万円の株を1万円で買えることになるため、CFDは資金効率のよい取引方法です。
① IG証券
証券会社 | 銘柄数 | コスト | 使いやすさ |
---|---|---|---|
IG証券 | 250銘柄以上 | ○ | ○ |
IG証券は老舗の証券会社で、近年はノックアウト・オプションという新しい商品で話題の証券会社です。
CFDでは特に米国株CFDで優位性があり、S&P500、NASDAQ100指数、ダウ平均株価の全ての構成銘柄を取り扱っています。
米株CFDではGMOクリック証券と共に必須といっても良い口座です。
IG証券の日本株CFDは、東京証券取引所に上場している流動性の高い約250銘柄のほか、さまざまな銘柄を取り扱っています。
日経平均に採用されているような主要銘柄はありますが、新興企業の銘柄は無かったりするので確認が必要です。
IG証券のHPから取り扱い銘柄を検索できるので、確認しましょう。
▼手数料と金利(IG証券)
コスト | 金額 |
---|---|
片道手数料 | 0.055% |
オンライン取引手数料 | 110円/1取引 |
金利 | 2.5%程度(年利) |
金利はポジションを翌日に持ち越すことで発生するもので、IG証券ではファンディングコストと呼ばれます。次の計算式で算出されます。
ポジション金額(当日終値 × ロット数) × (基準金利 + 2.5%) ÷ 360日
基準金利は「銀行間取引で利用される金利」のことで、日本株CFDであれば「円LIBOR1カ月物」になります。
日銀のマイナス金利政策で2020年6月現在は約-0.01%程度です。
例えばソフトバンク(1株5,512円)を10株買うと以下となります。
コスト | 金額 |
---|---|
片道手数料 | 30円 (5,512×0.00055×10) |
オンライン取引手数料 | 110円 |
金利 | 4円 (1日あたり) |
日本CFDは1株から売買でき、レバレッジが効くので資金効率は良いですが、取引手数料や金利が発生します。
特に金利は持ち続ける限り発生するので、長期保有する場合にはコスト管理も必要です。
② サクソバンク証券
証券会社 | 銘柄数 | コスト | 使いやすさ |
---|---|---|---|
サクソバンク証券 | 約1,500銘柄 | ○ | ○ |
サクソバンク証券はデンマークのサクソバンク銀行の日本子会社です。日本株CFDの取り扱い銘柄数は圧倒的です。
▼手数料と金利(サクソバンク券)
コスト | 金額 |
---|---|
取引手数料 | 0.05% |
金利 | 3%程度(年利) |
IG証券と異なり、1回ごとのオンライン取引手数料はありません。何度も売買を繰り返す場合(デイトレなど)では、サクソバンク証券の方が有利です。
金利の計算式はサクソバンク証券では公開されていません。いくらになるかは取引ツール上で確認ができます。おおよそ3%程度なので、IG証券と大きな差はありません。
例えばソフトバンク(1株5,512円)を10株買うと以下となります。
コスト | 金額 |
---|---|
取引手数料 | 27円(5,512×10×0.0005) |
金利 | 5円(1日あたり) |
③ PayPay証券(旧One Tap BUY)
証券会社 | 銘柄数 | コスト | 使いやすさ |
---|---|---|---|
PayPay証券 | 38銘柄 | ○ | ◎ |
PayPay証券は日本の証券会社です。
PayPay証券の日本株CFDアプリでは1万円から金額指定で個別株CFDを売買できます。最低1万円で投資できるので、資金ハードルが下がります。
レバレッジが5倍あるので、例えばソフトバンクの場合、1万円なら5万円分のソフトバンク株を売買できることになります。
PayPay証券の日本株CFDはスプレッド制のため買いと売りに価格差があり、これが手数料に相当します。また、計算方法は公開されていませんが、金利調整額も発生します。
④ インタラクティブブローカーズ証券
証券会社 | 銘柄数 | コスト | 使いやすさ |
---|---|---|---|
インタラクティブブローカーズ証券 | 約700 | △ | × |
インタラクティブブローカーズ証券はアメリカの証券会社で、日本でもオンラインブローカーとして展開しています。
手数料は「Fixed(固定型)」「Tiered(変動型)」の2種類あり、どちらかを選択します。
Fixed(固定型) | Tiered(変動型) |
---|---|
約定代金×0.03% (最低100 円) | 約定代金×0.03% (最低100 円) |
また、清算費用がかかります。
清算費用:約定代金×0.0004%+2.95円×1発注あたりの約定回数
未単元株の決済は電話注文のみであり、かつ1件につき税抜3,000円の手数料がかかるので、万人向けではないという印象です。
インタラクティブブローカーズ証券の金利の計算式は公開されていません。
日本株CFDを選択する理由
現物や信用取引ではなくCFDを選択する理由を紹介します。
特に資金が少ない場合、単元数に縛られない融通の利く売買がしたい場合、CFDは有用な選択肢になるので上手に活用しましょう。
① 現物とCFDの違い
比較項目 | 現物株 | 個別株CFD |
---|---|---|
売買区分 | 買いのみ | 買い/売り |
レバレッジ | 1倍 | 5倍 |
最低購入単元数 | 100株 | 1株から |
コスト | ○ | △ |
配当金 | ある | ある |
株主優待 | ある | ない |
コスト(手数料)を詳細化すると、
コスト | 現物株 | 個別株CFD |
---|---|---|
取引手数料 | ある | ある |
金利 | ない | ある |
スプレッド | ある | ある |
この違いが、そのままメリット、デメリットになります。
② メリット・デメリット
レバレッジ(5倍)で取引が可能であること、単元数に縛られないフレキシブルな売買ができることがCFDの大きなメリットです。
取引手数料や金利が発生するため、小さなポジション数で何度も売買したり、長期で保有すると手数料面で削られてしまう点がデメリットです。
最後に、日本株だけでなく米国株もCFD取引ができます。
むしろ、1株の価格が高い米国株の方がCFDのメリットが大きいです。米株CFDは取引手数料が日本株CFDよりも高いですが、メリットは大きいので是非チャレンジしてください。
米株CFDについてはこちらの記事で紹介しています。