株価指数CFDは多くの証券会社で取り扱っていますが、実は日本株の個別株CFDを取り扱っている証券会社は少ないです。この記事では、日本株の個別株CFDを取り扱っている証券会社を比較します。
CFDはレバレッジが効くため、少ない資金でも大きな投資ができます。また、最低売買単元数にも縛られず1株から取引できます。少ない資金を運用する人や大きな利益を狙う人にとって、メリットがあるので参考にしてください。
証券会社 | 銘柄数 | コスト | 使いやすさ |
---|---|---|---|
IG証券 | 約1,000銘柄 | ○ | ○ |
サクソバンク証券 | 約1,500銘柄 | ○ | ○ |
PayPay証券 | 約40銘柄 | ○ | ◎ |
インタラクティブブローカーズ証券 | 約1,000銘柄 | △ | × |
本格的に日本株CFDを取引きする場合、使い勝手の面でIG証券が良いと思います。少ない資金で手軽に日本株CFDを始めたいなら、PayPay証券は初心者にお勧めです。
Contents
日本株CFDを扱う証券会社
それぞれの証券会社について、銘柄数、手数料(取引手数料や金利)、特徴などを詳しく比較します。なお、レバレッジはどこも5倍となります。資金の5倍の株を取引できるため、現物取引よりも資金効率が良くなります。
CFDではコスト(手数料、金利)が必要ですが、当記事ではソフトバンクの1株5,512円を例として比較します。
① IG証券
証券会社 | 銘柄数 | コスト | 使いやすさ |
---|---|---|---|
IG証券 | 約1,000銘柄 | ○ | ○ |
IG証券はバイナリーオプションで有名な老舗の証券会社で、近年はノックアウト・オプションという新しい商品で話題の証券会社です。CFD取引でも有名で、特に米株CFDでは人気と優位性があります。米株CFDをする場合はGMOクリック証券と共に必須と言ってよい証券会社です。
IG証券で取引できる日本株CFDは、Chi-X(チャイエックスジャパン)とジャパンネクストPTSで売買されている株式です。東証に上場しているほとんどの日本株は取引可能です。
CFDには取引手数料や金利(ファンディングコスト)がかかります。IG証券の日本株CFDの取引手数料および金利は次のとおりです。
コスト | 金額 |
---|---|
片道手数料 | 0.055%(片道) |
オンライン取引手数料 | 110円(1取引ごと) |
金利 | 2.5%程度 |
金利(ファンディングコスト)はポジションを翌日に持ち越すことで発生するもので、営業日にポジションを持ち越すと発生します。IG証券では次の計算式で算出されます。
- 取引金額(当日終値 × ロット数) × (基準金利 ± 2.5%) ÷ 360日
「±」の箇所は、買いが「+」売りが「-」となります。また基準金利は「銀行間取引で利用される金利」のことで、日本株CFDであれば「円LIBOR1カ月物」になります。
日銀のマイナス金利政策のおかげで、2020年6月現在は約-0.01%程度です。例えばソフトバンクの1株価格(5,512円)を10株買うとします。(現物は最低100株からなので、CFDの方が少ない資金で売買できます)
コスト | 金額 |
---|---|
片道手数料 | 30円 (5,512×0.00055×10) |
オンライン取引手数料 | 110円 |
金利 | 4円 |
金利(ファンディングコスト)は、計算式に当てはめると次のとおりです。
(5,512円× 10) × (-0.0001 + 0.025 ) ÷ 360 ≒ 4円
日本CFDは1株から売買でき、レバレッジが効くので資金効率は良いですが、取引手数料や金利がかかることを知っておきましょう。特に金利は持ち続ける限り必要なので、長期保有する場合にはコスト管理も必要です。ただし、米株CFDと比べて日本株CFDは取引手数料が安いため、さほど気になるものでもありません。
② サクソバンク証券
証券会社 | 銘柄数 | コスト | 使いやすさ |
---|---|---|---|
サクソバンク証券 | 約1,500銘柄 | ○ | ○ |
サクソバンク証券はデンマークのサクソバンク銀行の日本子会社です。日本株CFDの取り扱い銘柄数は随一です。サクソバンク証券の日本株CFDの取引手数料および金利は次のとおりです。
コスト | 金額 |
---|---|
取引手数料 | 0.05%(片道) |
金利 | 3%程度 |
IG証券と異なり、1回ごとのオンライン取引手数料はありません。何度も売買を繰り返す場合(例えばデイトレなど)では、サクソバンク証券の方がその分だけ有利です。
金利(ファンディングコスト)の計算式は、サクソバンク証券では公開されていません。いくらになるかは取引ツール上で確認ができます。おおよそ3%程度なので、IG証券と大きな差はありません。例えばソフトバンクの1株価格(5,512円)を10株買うとします。
コスト | 金額 |
---|---|
取引手数料 | 27円 (5,512×10×0.0005) |
金利 | 5円 |
金利(ファンディングコスト)は、計算式に当てはめると次のとおりです。
(5,512円× 10) × (-0.0001 + 0.03 ) ÷ 360 ≒ 5円
IG証券とサクソバンク証券のどちらを選ぶかは、好みでよいと思います。ノックアウトオプションなど、IG証券にしかない取引もやりたい場合はIG証券にするとよいでしょう。当ブログ的にはIG証券推しです。
③ PayPay証券(旧One Tap BUY)
証券会社 | 銘柄数 | コスト | 使いやすさ |
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PayPay証券 | 38銘柄 | ○ | ◎ |
PayPay証券は日本の証券会社です。PayPay証券の日本株CFDアプリでは1万円から金額指定で個別株CFDを売買できます。レバレッジが5倍あるので、例えばソフトバンクの場合、1万円なら5万円分のソフトバンク株を売買できることになります。
PayPay証券の日本株CFDはスプレッド制のため買いと売りに価格差があり、これが手数料に相当します。また、計算方法は公開されていませんが、金利調整額も発生します。
④ インタラクティブブローカーズ証券
証券会社 | 銘柄数 | コスト | 使いやすさ |
---|---|---|---|
インタラクティブブローカーズ証券 | 1,000 | △ | × |
インタラクティブブローカーズ証券はアメリカの証券会社で、日本でもオンラインブローカーとして展開しています。
手数料は「Fixed(固定型)」「Tiered(変動型)」の2種類あり、どちらかを選択します。
Fixed(固定型) | Tiered(変動型) |
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約定代金×0.03% (最低100 円) |
約定代金×0.03% (最低100 円) |
また、清算費用がかかります。
- 清算費用:約定代金×0.0004%+2.95円×1発注あたりの約定回数
未単元株の決済は電話注文のみであり、かつ1件につき税抜3,000円の手数料がかかるので、万人向けではないという印象です。また、金利(オーバーナイト金利)もかかりますが、計算式は公開されていません。
日本株CFDを選択する理由
現物ではなく日本株CFDを選択する理由を紹介します。特に資金が少ない場合、融通の利く売買がしたい場合はCFDが有利な選択肢になるので上手に活用しましょう。
① 現物とCFDの違い
比較項目 | 現物株 | 個別株CFD |
---|---|---|
売買区分 | 買いのみ | 買い/売り |
レバレッジ | 1倍 | 5倍 |
最低購入単元数 | 100株 | 1株から |
コスト(手数料) | ○ | △ |
配当金 | ある | ある |
株主優待 | ある | ない |
手数料を詳細化すると、
コスト | 現物株 | 個別株CFD |
---|---|---|
取引手数料 | ある | ある |
金利 | ない | ある |
スプレッド | ある | ある |
この違いがそのままメリット、デメリットになります。
② メリット・デメリット
レバレッジ(5倍)の取引が可能であること、単元数に縛られずにフレキシブルに売買できることがCFDの大きなメリットです。
反面、取引手数料や金利が発生するため、小さなポジション数で何度も売買したり、長期で保有すると手数料面で削られてしまう点がデメリットです。
最後に、日本株だけでなく米株もCFD取引ができます。むしろ、1株の価格が高い米株こそCFDのメリットが大きく効いてきます。米株CFDは取引手数料が日本株CFDよりも高いですが、レバレッジのメリットが大きいので是非チャレンジしてください。
米株CFDについてはこちらの記事で紹介しています。

◆GMOクリック証券
米国株CFD、日本株CFDならびに株価指数CFD。商品CFDも豊富。
◆LINE証券
1株から買える単元未満株を取り扱う。軽く投資を始めたい人に。
◆SBIネオモバイル証券
1株から買える単元未満株を取り扱う。手数料が定額制で売買頻度が多い人に。
◆PayPay証券(旧One Tap BUY)
1,000円から端数株(0.01株など1株未満)を購入できる。日本、米国の優良企業が揃う。
◆アイネット証券
FX(為替取引)の自動売買「ループイフダン」
◆ひまわり証券
高レバレッジCFDのくりっく株365。配当もある日経225やイギリスFTSEに。
◆SBI証券
ネット証券最大手。つみたてNISA、iDeCoにも。