3分でわかるつみたてNISA。
- つみたてNISA制度の仕組みと注意点
- 口座開設先と投資商品(銘柄)の選び方
※2024年にNISA制度の改変があるため、当記事は新NISAを前提に作成しています。
つみたてNISAとは
つみたてNISAは少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です。
投資で得た利益には税金がかかりますが、これを非課税にすることで投資を促進させようという政府の制度です。
つみたてNISA制度の仕組み
つみたてNISAの口座は1人1つまでしか持てませんので、投資商品(銘柄)、積立金額などのポイントを理解した上で口座開設しましょう。
つみたてNISAとは
つみたてNISAは資産形成を後押しするための税制優遇制度です。
利用できる人 | 日本在住の20歳以上 |
---|---|
非課税対象 |
特定の投資信託の分配金や譲渡益 ※金融機関により選べる投資商品が異なる |
非課税投資枠 | 新規投資で毎年40万円まで |
非課税期間 | 各年の投資分ごとに20年まで |
投資可能期間 | 2018年~2042年 ※2024年の改正で2037年から延長 |
非課税対象の投資商品(銘柄)
金融機関によって選べる投資商品(銘柄)が異なるので、投資したい銘柄が対象となっている金融機関で口座を開設する必要があります。一般的に証券会社では銘柄が多く、銀行では少ないです。
金融機関 | 商品ラインナップ |
---|---|
楽天証券 | 177商品 |
みずほ銀行 | 3商品 |
※2021年8月時点
非課税投資枠と非課税期間
非課税投資枠は毎年40万円までの新規投資、非課税期間は各年の投資分ごとに20年までとなっています。
2021年8月現在の新規投資可能期間は2037年までですが、2024年の制度改正で2042年前まで延長されます。2042年の投資分は2061年まで非課税となります。
つみたてNISAでは、毎年40万までの範囲で自由に投資額(つみたて額)を決められます。ただし、一般的に証券会社と銀行だと投資単位に違いがあります。
▼投資単位と月あたり投資額
金融機関 | 単位 | 月あたり |
---|---|---|
楽天証券 | 100円以上 1円単位 |
33,333円 |
みずほ銀行 | 1,000円以上 1,000円単位 |
33,000円 |
月330円の差でも、長期間のつみたてNISAだと差が開きます。満額投資したい場合は証券会社の方が良いです。
つみたてNISA注意点
つみたてNISAにはいくつか注意点があります。デメリットではないですが、知っておくと良いと思います。
【一般NISAと併用不可】
つみたてNISAと一般NISAは併用不可で、どちらかしか口座開設できません。1人1口座なので、よく考えて決めましょう。なお、手続きは必要ですが口座の移行は可能です。
【使わなかった非課税枠の繰り越しは不可】
毎年40万円の枠を使い切らなかったとして、残りの翌年への繰り越しは不可です。せっかくなら満額投資するほうが良いです。
【特定口座との損益通算は不可】
つみたてNISA口座と特定口座との損益通算は不可です。
【口座間の移動は不可】
つみたてNISA口座で持っている銘柄の他の口座への移動は不可です。他の口座からつみたてNISA口座へ移動させることもできません。
一般NISAとの違い
一般NISAは2024年に制度変更があり、積立(1階)と裁量(2階)の2段階方式になります。積立・分散を推進するためですが、そうであればつみたてNISAだけで良いように思います。
つみたてNISA | 一般NISA | |
---|---|---|
投資方法 | 積立 | 積立 裁量 |
非課税対象 | 国内外株式 投資信託 |
国が定めた投資信託 |
非課税投資枠 | 40万円 | 20万円(積立) 120万円(裁量) |
非課税期間 | 20年 | 5年 |
投資可能期間 | 2042年まで | 2028年まで |
国が推しているのは「つみたてNISA」のようなので、やはりこちらを選択する方が良いと思います。
口座開設と投資商品の選び方
非課税投資額をフルに投資できること、選択できる投資商品が多いことから、証券会社でつみたてNISA口座を開設する方がおすすめです。
楽天証券口座
楽天証券でつみたてNISAをすると2つのメリットがあります。
- 投資信託の積立で楽天ポイントがもらえる
- 投資信託の積立に楽天ポイントをつかえる
楽天カードのクレジットカード払いでつみたてNISAを利用すると、100円につき1ポイントが楽天カードより付与されます。
満額積み立てるとすると年間で4,000円くらいのポイントがもらえます。仮に20年間続けるとすると8万円にもなります。
また積立額の一部を楽天ポイントで支払うことができるので、楽天のサービスを使っていてポイントを余らせている人にはお得です。
特に楽天のサービスを使っている人、楽天カードを使っている人にはメリットが大きいのでおすすめです。
おすすめ金融商品
次の2つがおすすめです。
S&P500だけでもいいと思いますが、中小型株含めたさらに広範囲に分散したい場合は全米株式インデックスがおすすめです。
ただし、S&P500指数は米国株式市場の時価総額の80%を占めており、どちらも時価総額の大きな銘柄の組み入れ比率が高いので、どちらを選ぶかは好みです。
少しでも信託報酬が安いのはeMAXIS Slimですので、こだわりがなければこちらで良いと思います。
楽天・全米株式インデックス | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | |
---|---|---|
連動指数 | CRSP USトータル・マーケット・インデックス | S&P500指数 |
銘柄数 | 約4,000銘柄 | 500銘柄 |
信託報酬 | 0.162% | 0.0968% |
楽天・全米株式インデックスは、楽天証券以外の証券会社でも取扱いがあります。例えばSBI証券などでも選ぶことができます。
VIT(バンガード・トータル・ストック・マーケットETF)も全米株式インデックスなので、こちらを選択するのも良いと思います。
つみたてNISAでは投資額を複数商品に割り振ることができますので、米国だけでは不安でしたら70%を米国、30%を日本というような割合で運用しても良いと思います。
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